1.見えにくい危険が潜む夏の部活動
近年の夏は猛暑日が当たり前となり、毎年、部活動中に熱中症で倒れる学生のニュースが後を絶ちません。運動部に所属しているお子さんを持つ保護者の方にとって、夏場の練習は心配の種ではないでしょうか。屋外だけでなく、換気の悪い体育館などの屋内でも熱中症は起こります。
特に中高生はまだ自分の体調の変化に鈍感で、「頑張らなきゃ」「休むのは甘え」と思って無理をしてしまいがちです。その結果、気づいた時にはすでに重度の熱中症になっていた、というケースもあります。
保護者として大切なのは、「うちの子に限って大丈夫」と思い込まず、日常からのサポートや声かけを通じて、熱中症のリスクをしっかりと回避していくことです。

2.熱中症とは?〜保護者が知っておくべき基本と現実〜
熱中症は、体温の上昇とともに体内の水分と塩分が失われ、体温調節がうまくできなくなることで起こる障害です。軽度であればめまいや立ちくらみ程度で済みますが、重症化すれば意識を失い、命の危険すらあります。
環境省によると、熱中症による救急搬送は7月と8月に最も多く、特に10代の学生はその中でも大きな割合を占めています。また、多くが「運動中」に発症しているのです。
暑さ指数(WBGT)が28℃を超えると熱中症のリスクは急上昇し、31℃を超えると原則的に運動は中止すべきとされています。しかし、実際には多くの部活動で練習が継続されています。
このような現状を踏まえ、保護者は「今日は練習を休ませた方がいいのでは?」「水分補給は足りているか?」と、家庭内でも気を配ってあげることが重要です。

3.親が知っておきたい熱中症のサイン
お子さんが帰宅した際や、朝の段階で以下のような症状が見られたら要注意です。
【軽度のサイン】
- めまいや立ちくらみ
- 筋肉がつる(熱痙攣)
- 汗が止まらない
【中等度のサイン】
- 頭痛や吐き気、体のだるさ
- 顔色が悪い、食欲がない
【重度のサイン】
- 意識がもうろうとしている
- 汗が出ていない(深刻な脱水)
- けいれん、失神
こうしたサインに気づいたら、無理に登校・部活に行かせず、必ず休ませ、体を冷やし、水分と塩分を補給させましょう。経口補水液があればより効果的です。
4.保護者が実践できる熱中症対策
お子さんを熱中症から守るために、家庭でできる対策はたくさんあります。以下のポイントを日常生活に取り入れてみてください。
● 朝の体調チェック 登校前、「頭が痛くない?」「食欲はある?」と声をかける習慣をつけましょう。少しでも異変があれば、無理に送り出すべきではありません。
● 水分・塩分の準備 スポーツドリンクや塩分タブレット、冷凍したペットボトルなどを常備し、こまめな補給を促します。1日1リットル以上の水分が必要な日もあります。
● 栄養バランスのとれた食事 たんぱく質、ビタミン、ミネラルを意識した献立を心がけましょう。特に豚肉、豆類、果物(バナナ、キウイ)などは疲労回復や水分調整に役立ちます。
● 冷却グッズの活用 保冷剤やアイスリング、首掛け扇風機など、学校や部活に持たせておくと安心です。
5.熱中症対策におすすめの便利グッズ(Amazonリンク付き)
● 経口補水液 OS-1
熱中症予防・対処の基本。冷蔵庫に常備しておきましょう。
● アイスネックリング(28℃凍結)
冷たさが持続し、首元を効率的に冷却できます。
● 熱中対策タブレット
水と一緒に摂ることで塩分補給が簡単に。
● ポータブル首掛け扇風機
外出先や練習前後にも使える便利アイテム。
● スポーツドリンク粉末
コスパ良く毎日使える補水アイテム。
6.まとめ:子どもの命を守れるのは“親の準備と気づき”
部活動は、成長や挑戦の場としてとても大切です。でも、それが健康を犠牲にするものであってはなりません。
お子さんが全力でスポーツに取り組めるように、親としてできる最も大切なことは、「事前の準備」と「日々の気づき」です。
熱中症は、知識と備えで防げるものです。ぜひ今日から、家庭でできる小さな工夫を積み重ねて、わが子の命と未来を守っていきましょう。
コメント